レオ澤鬼20年振りの個展『エロティコン』~@銀座モダンアート(2)

この2月に20年振りとなる個展を銀座で開催されたレオ澤鬼先生。前回の記事では、その個展の様子をリポートしました。
そのレオ先生が数年前、ヤフオクでスポーツ新聞や雑誌でお仕事をされたご自身のカット等の原稿を大量に出品され、驚いたことがあります。
ヤフオクに出品されていたレオ先生の作品は、たとえばこんなの。



記録を辿ってみると、2006年頃にヤフオクに出品されてますね。
実は、筆者はそのとき幾つか落札させていただき、入手。
なんとか女体のえろ~い作品も欲しかったのですが人気が高くて入札額も高騰し、泣く泣く諦めざるを得なかった悔しい思い出があります。


レオ澤鬼といえば点描画ですが、こういう薄墨の絵も出品されていました。





たぶん、このあたりは『玉門占い』かな…?
(当時のヤフオクより)©レオ澤鬼
カラーもあったんだけど、もちろん高額落札に…


筆者が当時落札したのはこんなのとか。

まあ、これはこれでオレ的にはかなりレアものなんで嬉しかったわけなんですが。
…あ、いちおうそれなりにエロいのも何点か入手してます。
ヤフオクでは掲載誌のコピーも併記され、出典も明らかなものが多く出されてしました。


ちなみにレオ先生は『新宿鮫』のカットも担当していたとのこと。
…ま、キリがないので出品例についてはこのへんで締めておきましょう。
まあ、それが縁でメールやmixiでやりとりするようになり、グループ展にも足を運んだりと、交流させていただくようになった次第。
ついでなので以前銀座で開催された(これは『鬼2人展』かな?)展示会におじゃまし撮影したものを発掘したので、アップしておきます。
今回のものではないものの、展示の雰囲気は近いものが伺えるかと。
たしか、この時に筆者は初めてレオ先生と顔を合わせたはず。
そんないきさつもあり、その後浦嶋がゆうばり映画祭に長編映画を出品することになった折、ポスター画を描いていただきました。

◎画・レオ澤鬼/デザイン・ほうとうひろし、という自主制作映画用にしては贅沢すぎる出来。
このポスターは今も筆者の自慢です。だって、あの『玉門占い』のレオ澤鬼先生に描いていただいたんですから。
とは言うものの、件の『玉門占い』を東スポで連載していた期間というのは、今回レオ先生に伺ったところ「4年くらい」とのこと。
正直、もっと長く続けていたのかと思ってました。
そんなことも含め、久々の邂逅となった小生・浦嶋嶺至とレオ澤鬼先生。
ちょうどギャラリーの真ん中にはテーブルが置かれ、つまみとお酒…
この卓を挟んでのお酒のご相伴に与りながらの対談となり、いろいろお話を聞くことができました。
【インタビュー】
浦嶋(以下「浦」):ご無沙汰しております。ゆうばり映画祭に映画を出品した折にはポスター画をいただきありがとうございました。
その節は震災に遭われ大変な時期だったと思いますが、大丈夫でしたか?
[註:レオ先生は茨城県日立市在住。殊に先生のアトリエは海岸沿いにあり、2011年3月の東日本大震災時には被災状況が危惧されました]
レオ澤鬼(以下「澤」):被害はそれほど大きくなかった。それに、SNS(当時はmixiがメイン。浦嶋もmixiでレオ先生とは繋がっていた)で呼びかけたら、みんなが支援してくれた。あのときは本当に助かりました。
浦:そうでしたか。mixiなんかでも、かなり心配してましたから。
「屋根が壊れた」みたいなことも書かれてましたし。
そんな頃にポスターの絵をお願いしてしまい、申し訳ありませんでした。
[註:浦嶋の映画『憂恋の花』がゆうばり映画祭に出品が決まり、ポスター画の依頼をレオ先生にしたのは2012年2月初旬のこと]
澤:いえいえ、こちらこそ仕事を請けて助けられました。
浦:レオ澤鬼といえば、自分なんかだと東スポ『玉門占い』の印象が強いんですが…
澤:あれは4年くらいやった。
浦:たった4年ですか? なんか10年くらい続けてるのかと思ってました。
毎日掲載されてたんですか?
澤:何点かまとめて編集部に手渡して、それが掲載し切ったらまた次のを渡す、という形式だった。
浦:新聞連載や、雑誌のカットなんかもあるので、すごい数になると思うんですが…何万点、ていう量でしょ?
一時ヤフオクにも出品してましたが、あれはコピーくらいは手元に残してるんですか?
澤:いや、ない。
浦:カラーなどはデジタル彩色もされてるんで、そういった分のスキャンした元原データのバックアップとかは…
澤:ほとんど残してない。
浦:じゃ、作品の整理なんかは…
澤:やってないねえ。
浦:え? じゃあ、ヤフオクに出したやつも、すべてコピーとか取らなかったんですか??
澤:うん。
浦:レオ先生のお仕事は媒体も多岐なんでまとまって整理してる出版社とかはないですよね…。
画集などはこれまでに出てるんですか?
澤:むかし、自費出版で『幻獣ワールド』のイラストを纏めたことがある。100部くらい刷って、コミケに出したらけっこう売れた。いま手許にも数冊くらいしか残ってない。
浦:それ以外で、新たに画集を出す予定なんかは…?
澤:今のところない。
浦:それ、もったいないですよぉ。
きょうは先生のお元気な姿を見られて安心しました。ありがとうございます。
澤:こちらこそ。わざわざお出でいただきありがとうございました。
浦:そんなそんな。自分はヤフオクで先生のイラストを落とすくらいにはファンですから。(笑)
※当日の対話を基に構成しました

レオ先生は御歳67歳。
点描画は集中力も並外れて必要だろうし、眼も酷使する作業だと思われます。
歳を重ねるにつれ大変さは増していくだろうと思うのですが、まだまだ新作で我々の目を楽しませていただければ幸いです。
* * *
それにしても、お話を訊き、画集が自費出版のものしかないということに驚きでした。
どこかの出版社さん、ぜひレオ澤鬼画集を発行してください!!
とはいえ作品の多くはおそらく散逸したままのものも多いだろうし、手元にあったものもヤフオクに出品してしまったわけだし…
それでも、残ってるぶんもまだ数千、数万点はあるはずなので、やはり画集として纏めていただきたいなぁ、と思いました。
それも、自費出版ではなく、ちゃんとした書籍として。
ホント、どっかキトクな版元さん、興味があったらぜひ企画してみてください。ファンとしてお願いします。
(てか、その企画ウチがどっかに持ち込みに行くぞ、それ)
【オマケ】
今回ギャラリーにてこんな出逢いがありました。
レオ澤鬼先生個展の会場で元プロレスラーのモンゴルマンさんに遭遇してびっくり。現在はインストラクター兼、絵の勉強をしてるとか。すげぇ!! pic.twitter.com/F1W8Ui9JoE
— 浦嶋嶺至@充電率74% (@urashima41) 2016年2月20日
で、思わず元モンゴルマンさんとは以前になぜか自分が繋がりを持った徳田光輝(W☆ING)とかアレクサンター大塚(バトラーツ)とか小林昭男(士道館・武輝道場)の話に花が咲いてしまいましたとさ。人生っておもしろいなあ。https://t.co/3rskY6JSY6
— 浦嶋嶺至@充電率74% (@urashima41) 2016年2月20日
元モンゴルマンさんはたまたまこの日このビルのギャラリーを回っていたときにここに足を踏み入れたとのこと。
その節はありがとうございました。重ねて感謝。
こんな出逢いもおもしろいものですね。
[…] →【はい】 […]